あなたは、片づけは得意ですか?
片づけにおいて「分類」は必須の作業。
出してから仕分ける このプロセスは欠かせません。
この分類作業は、嫌い、苦手、考えただけでも疲れる…
という方が多いのではないでしょうか。
分類は頭脳労働。大人の私たちだってすごく頭を使います。
だから、小さな子どもはなおのこと。
片づけでおもちゃを分けることは、考える練習になるんですよ。
今日は、片づけで育むことができる「分類力」についてのお話です。
今日のレッスン
参考対象年齢 3歳前後
学びのツボ 分類力を育む

「分類」は知育の大切なテーマ
「分類」は、モノとモノとの間に共通項を見つける行為です。
そもそも、モノがどんな性質、特徴を持っているのか分からなければ、「分類」はできませんよね。
知育玩具には「分類」して遊ぶものが、すごくたくさんあります。色、形、大きさ の分類が、見て触れることができるので幼児には分かりやすいです。

これに対して、「乗り物」と「動物」で分類する場合はどうでしょう?
それぞれの意味や特徴を知らなければ、分類はできませんよね。
幼児は、まさに今「カテゴリー」という概念を学んでいるところ!
生活体験の中で、モノとモノの共通点を発見していきます、
そして、食べ物>野菜>根菜 のように「大カテゴリー」の中に「小カテゴリー」という具合に、より細かく分けることを学んでいきます。
単に名前を知っていることと、「分類」することはレベルが違う。
「分類」は、知育においてすごく大切なテーマなんですよ。
片づけで「分類」を学ぶ
では、片づけで学ぶ「分類」っていったいどういうことなんでしょう?
片づけなら「具体的」に学べる
例えば、文房具を片づけるとき、「これは、何をするためのモノ?」
用途別に分けてみると、こんな考えが浮かんでくることがあります。
クレヨンは書く道具
だから画用紙の近くにしまっておこうかな。
はさみは切る道具
危ないから、弟や妹の手が届かないところに。
のりは貼る道具
テーブルの上で使うから、引き出しに入れとくと便利だね。
では、「クレヨン」「はさみ」「のり」と書いてあるカード、または絵カードを分けるとしたらどうでしょう?
「はさみは切るための道具」ということは知っていても、
どんな大きさ?
すごく尖ってる?
子ども用の小ぶりのもの?
それだけではイメージがわきにくいので、「切る道具」以上の考えはうかんでこないのではないですか?
片づけや整理整頓における作業で、分類するのは「本物」
カードの「ゾウ」や「きりん」や「クジラ」ではなく、目の前にある、触ることができる「本物」です。
自分の家にあって、触ったことも使ったこともあるからこそ、目の前のはさみを見たとき、
- ママが布を切るときの道具
- 大きくて重たい
- 先がとがっているから危ない
危ないから弟や妹の手が届かないところに、他の裁縫の道具と一緒にしておけばいい
と、いろんな考えが浮かんできます。
「本物」を使うと、「具体的」になる!
片づけは、具体的で体験的な学びの機会になると思うんです。
「具体的」の反対は「抽象的」
「10歳の壁」って、ご存知ですか?
子どもって、10歳くらいまでは抽象的なことを理解する力が発達途上。言葉や文字だけの情報で考えたり学んだりするのは、まだ難しかったり、得意ではなかったりします。
「10歳の壁」について詳しく知りたい方は、こちらの記事が参考になるのでよかったら読んでみてください。
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片づけなら「自分に合う」を学べる
「分類」といっても、その方法は一つじゃありません。
どんな共通項でまとめるかによって、いろいろな方法がありますよね。
自分が使いやすいように片づけることで、「自分に合う」という視点を学べます。
私のキッチンの片づけを例に出しますね。

私はコップ類を、冷たいものを飲むグラスと、温かいものを飲むカップに分けて収納しています。
グラスは、手前の棚に、カップはコンロに近い方の棚に…
「火を使うかどうか」で分類してるんですね。
お湯を沸かしてお茶を入れる。
だから、コンロの近くのほうが便利。
もちろんこれは、私の場合であって、 並んだ時にキレイに見えるように「色」や「素材」で分けるのが好きな人もいますよね。
どんな方法がいいかは、使う人が自分の好みや利便性で選べばいいこと。
要するに、「自分に合う」という視点で考えるのが大切です。
見せる収納?

見せない収納?

大人でも、片づけがなんだか上手くいかない!
という人は、もしかすると「自分に合う」という視点が抜けているからかもしれません。
たくさんの中から「自分に合う」方法を選択する
子どもの将来にとって、これはとっても大切なことだと思いませんか?
「片づけ」は、実作業で体験しながら、この大切な視点を学ぶことができます。

まとめ
片づけと知育の関わりは、本当に奥深い!
正直、上手くお伝えしきれないほど深い関わりがあると感じてます。
今回は、「分類力」についてのお話でしたが、そのほか「数」や「形」を考える力も育むことができるので、また記事にしてみたいと思います。